001 おくの細道OOO -Out Of Order- ①大垣

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大垣という地名を聞いて、ピンとくる人は中京圏以外に住んでいる人では少ないのではなかろうか。


関ヶ原の戦いで、西軍の石田三成の本拠地である大垣城があったり、長良川を活かして作られた墨俣城(一夜城)があったりと、歴史的な重要人物にまつわる史跡が点在している。

そんな中、更に旅人的にも面白いスポットであることは、あまり知られていないはずだ(かく言う私自身も、再度訪れるまでは知らなかったのだが。笑)

なんとなんと、かの松尾芭蕉の旅行記の名著「おくのほそ道」の旅の結びの地(最終地点)だったのだ!
そこには彼が江戸を出発し、平泉までのぼり、北陸、近江を経由して大垣までの行程や、旅情を感じさせる彼の俳諧が綴られている。

そんな名著にリスペクトを払いながらも、今回私はその最終地点である大垣についての投稿を最初にしている。結びの地から始まる、正に順不同(Out Of Order)で彼の足跡を辿る旅の始まりだ。

ちなみに彼はこの旅を大垣で終えた後、「蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ」と詠んだ後、伊勢参りの為に桑名へと船で漕ぎ出したそうだ。記念碑側の投句箱は、蛤の形をしていた。

深まり行く秋、蛤の殻と身とを二つに引き裂くように、辛く悲しい別離を詠っている。

旅における出会いと別れは表裏一体で切り離せないものだが、そういったもの全てが、ともすれば人生の旅路まで舵を取ることがある。

私自身が行く道も、自分が必ずしも決めているわけではなく、何かに導かれている時もあるのだ。


私が会社を辞めたことの裏にも、思いがけない人との出会いがあった。
そんな想いで、私も初めて一句、詠んでみる。


「春一番 雲の行方ぞ 誰が知る」

今後も、芭蕉ゆかりの地に立ち寄る度に投稿していくので、楽しみにしていただきたい。

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