私は日本全国を旅してきたが、その興味の始まりは小学生の頃に地理を勉強したことにある。
同じ日本でも南北で気候が大きく異なることや、各地の名産品の話を聞いたことで、実際に食べたり観たりしたいと思った。
今回は食べ物や文化の話ではないが、その時に「雪の多い土地では信号機は縦列に並ぶ」ということを知った。
その理由はご存知の人も多いだろう。縦にすることで雪の載る面積が横列のものの1/3になることで、雪の重みによる本体や支柱への負担を軽くする為だ。
個人的な嗜好により、私は雪国の東北や北海道に行くことが多い。そこで横型信号が一つでもないものかと探しているのだが、未だ一つも見つけられていない。
最近では単に縦型になるのみならず、透明なカバーが付いたものも見られる様になった。
これは着雪防止フードというもので、横型の信号機にも付いていることがあった。
「雪は降るけど、そんなに問題になる程でもないし、でも見え辛くならない様にしたい」という微妙な要望への対応なのかも知れない。
信号機の話を思い出しながら、昔と今を比較出来る程度に私も歳を取ったなと思いつつ、時間の経過の早さを実感している。
そして今の私の人生は、信号が取り払われた田舎の山道の様に思える。周りに止まれ・進めを命令されることもないが、整備もされていないことを心得ておかなければ。