019 和歌山編 第二話 クジラとイルカ

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②1/31 那智勝浦町、太地町

【シロナガスクジラの原寸大骨格標本(プラスチック製)】

翌日は北山村を出て新宮市を経由し、那智勝浦町、太地町までやってきた。
那智勝浦と言えば、高さと水量で日本一の那智の滝で有名だが、太地町はあまり知られていないのではないだろうか。
今回は時間の都合と、ビンディングシューズで山中を階段を超えていくのは難しいという判断を下した結果、滝を見ることを諦めた。その分、むしろマイナーな太地町を知り、楽しむ方向で動くことにしたのだが、これが予想以上に楽しめた。

ここ太地町は、昔から捕鯨で全国的に知られた町であり、日本の古式捕鯨発祥の地と言われているらしい。船で鯨に近づいていき、銛を刺していく絵を見たことがある人も多いのではないだろうか?
そんな昔から鯨との関係が深いこの町の端には、「くじらの博物館」がある。捕鯨の歴史、鯨の利用や文化、そして骨格標本など、鯨類に関する様々な展示がされており、中々に興味深く、イルカ・クジラショーと併せて3時間程じっくり楽しむことができた。

そしてこの機に、以前から気になっていたクジラとイルカの違いを知ることが出来るのではないかと思って展示を見回ったのだが、実は特にないという結果だった。同じ鯨類の中で、
大抵は小さいものをイルカ、大きいものをクジラとして分けているだけだということだった。
あとは私が思う限り、イルカと呼ばれるものはシロイルカ等を除いて口吻が長いが、クジラと呼ばれるもので口吻が長いものを知らないので、大抵はそんな感じで見た目で区別すれば良いのだろう。

そしてイルカショーが終わった後は、イルカを実際に触る体験をすることが出来た。今回のショーの主役は、カマイルカという、背ビレが鎌の様な形をした約2mの小型のイルカだ。鯖の様な表皮の手触りに加えて、その下に分厚いゴムを仕込んだ様な弾力と、内側に確かな筋肉を感じさせる、独特な質感をしていた。

しかし鯨を食料や生活の道具として消費するだけでなく、見世物にしてお金を稼いでいると思うと、人間の知能の黒い面が見えるなと思ってしまう。畜産を否定する人達はこのショーを見ても何も感じないのか、観てもらった上で意見を聞いてみたいものだ。

【白いハナゴンドウ(クジラ)。アルビノとは違い、色素があるので、目は黒色。】

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