022 和歌山編 第五話 ミカンとの交流

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⑤2/3 有田市

次第に和歌山市に近づいていく中、有田みかんで有名な有田市を訪れ、この日は有田オレンジユースホステルに宿泊した。ユースホステルという名前で、確かにユースホステル協会に所属しているのだが、よくある2段ベッド×2の部屋はなく、一般家屋の二階部分を客室として提供していた。
ここの主人の山際さんとは、到着してから色々とお話しをしていたが、そこで有田みかんについて面白い情報を幾つか教えていただいた。

味は贈答品(A級品)よりも、少し形の悪いもの、表面に傷のあるもの(B,C級品)の方が良いことが多い。
これは採取前の話だが、少し傷をつけるなどしてみかんにストレスを与えることで、糖度を高めるというやり方だ。寒いところで果物が糖度を上げる話は良く聞くが、ストレスを与えるという点で原理は同じ様なものだ。
贈答品のみかんは美観が大事なので使えない手法だが、自炊をする人にとって、見切り品を選ぶ場合にも役立つ観点ではなかろうか?

皮は乾燥させて風呂に入れる
漢方や、身近なところでは七味唐辛子にも含まれている「陳皮」。大多数の人にとって聞きなれない名前と思うが、これはみかんの皮を陰干しで1年間以上乾燥させたもののことだ。
ここまで乾燥させたものではないが、少し乾燥させて量がへったみかんの皮を網に入れて、風呂に入れてみかん風呂にするのが、昔からの有田の慣習らしい。
漢方においては、陳皮は食欲不振、嘔吐、疼痛などに対して用いられるという。血圧降下の作用もあるというので、これは高血圧に悩みがちな日本人にとって殊更嬉しい効能だ。
冬の寒い時期、ゆっくり湯船に浸かりながら成分を経皮吸収したい。

みかんの有田剥き
有田の人達の独特のみかんの皮剥き方法を教えていただいた。手順は以下の通り。

  1. ヘタのない方向から半分に割るのを2回繰り返して4分割にする。
  2. それぞれの分割房のヘタ側から果肉を外す。
    こうすることで、多少手が汚れている状況でも、果肉に触れずに皮を剥くことができ、尚且つ白すじが綺麗に取れ易いという。私も実際に教えてもらいながら試してみたが、確かに綺麗に剥けた上、陳皮として利用することを考えても都合の良い剥き方だと思った。

この日はあまり距離を走らず、早めに有田市に入ることでゆっくりと過ごすことが出来ただけに、上記の様な生活の知恵に近い知識を学ぶことが出来たのも新鮮だった。ゲストハウスやユースホステルらしく、色々な人との交流から学べる面白さを再確認した一日だった。

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