027 全国グルメレポート:②みなみ丸 合歓(ねむ)

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私は別府を2回訪れたが、そのどちらでも訪れたお店がある。それが、「みなみ丸 合歓(ねむ)」だ。
店名は漁船の名前から来ており、ここの店長がその船長だ。いつも漁で獲れた活きの良い魚が生簀で泳いでおり、提供してもらう直前にそこから取り出される。

ここの目玉は何と言っても関サバ・関アジだ。
これらは大分(豊後)と愛媛(伊予)の間の豊予海峡で獲れるブランド鯵・鯖だ。
潮流が速く、プランクトンの豊富な豊予海峡で獲れる魚は、身の締まりが良く、大きくなるという。
沢山食べてよく運動して、大きくなってもらいたい。

私もこのお店で2回とも、関サバの活け造りを注文した。関アジはどちらの時も獲れなかったとのことで、いただくことは出来なかったが。

1尾丸ごとで5,000円。値段は高いものの、誤魔化しのない本当の鯖の肉と脂の旨さを知ることが出来た。
背中側の青黒い色彩と、薄黄金色に輝く腹部の組合せは、それぞれ光を吸収・反射しており、それもまた美しい。

オススメされた西の関の日本酒と共に友人と分け合い、お互いに社会人になってからの積もる話をネタに楽しみ、楽しい時間を過ごしていた。

そして〆に温かいものがほしくなって注文した海鮮茶漬けには鯵が入っており、出汁の旨味と相まって大変な満足を覚えた。
舌が感涙を流しているのではないかという程の、旨味の洪水だ。

ひとしきり楽しみ、店を出る頃はもう夜の盛り。満月を眺めながら、大分県に所縁のある瀧廉太郎の「荒城の月」を友人と唄いつつ、温泉へと歩き出した。
この世の栄枯盛衰が謳われる歌を歌いつつ、学生の頃と変わらぬ友人との関係を確かめていた。今宵の月の様に、幸せに満たされながら夜は更けていく…。

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