077 旅初め2022-福岡への旅立ち- 2日目 前編:赤煉瓦の街・門司。文明開化の風に触れて

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新門司港に到着した朝、送迎バスで門司駅まで向かうと、そこは明治〜大正の文明開化を感じさせる、赤煉瓦の街だった。

門司赤煉瓦プレイスは、サッポロビール(帝国麦酒)の九州工場として建設されたとのこと。残念ながら年始の、しかも早朝のこの時期には入ることは叶わず、外から眺めるに留まった。
横浜や小樽、長崎の様に、港町は世界のものが集まり、日本的でないものが入り混じった複雑な世界観が面白い。
極端な例では日本語の漢字そのものの様に、当たり前の様に日本特有のものだと思っているものも、意外と海外の影響を受けているものだ。

日本は島国で、外国とは海を隔てて距離が遠く隔絶されていると言われるが、海を通じて外国と繋がっているとも言える。
大航海時代に世界へ旅立った人達は、海の波風や距離といった大きな試練を乗り越えた先にある新天地を目指したが、それは単に資源や領地を求めただけではないだろう。
二度と生きて帰って来られないかも知れない、命をかける様な正に”冒険”と言うべきものを実行するには、目先の利益だけではなく、大抵は使命や理想の様なものが必要になってくる。

私はそこまでの使命感や覚悟を持っているわけではないが、この悠々○○を通して、読者や後進の人々に何か示せるものはないかと考えている。
先達が冒険によって現代の歴史に影響を与えた様に、私の人生をかけて作る悠々○○も誰かの人生に幾らかの影響を与えることがあるのかも知れない。

また、北九州市はイラストレーターのわたせせいぞう氏が育った街で、彼のイラストが描かれた陶板が幾つか置かれていた。
彼の漫画作品を読んだことは未だないが、小学生の頃に家にあった雑誌の表紙で目にする機会が多く、「あのイラストの作者だ」ということは直ぐに分かった。
グラフィック感のある色鮮やかな景色の描写に、キャラクターのシンプルさがうまく調和している様だ。特徴的な作風は、人の記憶によく残る。

私も、日本の文明開化と同じ様に、他者の影響を受けながら、悠々○○特有の作風を確立していきたいと思った。

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