080 旅初め2022-福岡への旅立ち-2日目 後編②:夜の門司港レトロ

日本語
ENGLISH

旅初め2022-福岡への旅立ち-
2日目 後編②:夜の門司港レトロ

巌流島から再び門司港に戻った後、門司海峡を歩きまわり、夕方に再びポルトまで戻ってきた。そして夜。私は夜の門司港レトロを楽しむ為に、再び歩き出す。

夜の港町は大量の電飾によって煌びやかに飾られており、三が日最終日の夜、多くの人が歩いていた。
港と言えば、灯台はその灯りを頼りに、船が迷わず港にたどり着ける為に建てられている。
港町の電飾は明るいが、灯台の灯りの様に大きな光で一直線に目的地へと導くのではなく、むしろ寄り道をさせる為に小さな沢山の光源を配置することで、周囲をよく見せているのだろう。
全体が見えれば、多数のスポットに人の目が向き、エリアに広くお金が落ちる仕組みだろう。

私はというと、町の狙い通りに明るい港町を散策して電飾の温かさや美しさを楽しむ一方で、少し明るさに疲れて暗い海の向こうを眺めもした。
冬の夜闇の下、空と海の境目が分からなくなる中で、海の向こうに見える光の在処は下関市だ。

以前に下関を訪れた際、私は昼は唐戸市場、夜は町の居酒屋でふく(河豚のこと)や海鮮を楽しんだ。
新橋や大阪キタ・ミナミ、錦の様な正に夜の街、という感じでもなかったが、港町らしい活気に溢れており、私はこの雰囲気が好きだ。
例えばパーティーの夜、ふと喧騒から離れて一人になることに心地良さを覚える様に、食べて飲んでも出来る一方でふと酔い覚ましで一息つける様な心地良さだ。

私はその夜、仲卸直営店の「海鮮処 廻転寿司 海人」というお店で夕食をいただいた。
一人だったにも拘らず、座敷を案内していただいたのは、昨今のコロナ禍の中での配慮かも知れない。
隣の部屋からは家族の声が聞こえてきた。正月で家族が集まった様で、弟は中学を卒業するらしい。

私はメニューを流し読みした後、マグロ丼を注文した。赤身の鉄分を感じる味と、トロ部分の脂の甘み。それぞれを単独で嗜んだ後、それぞれに醤油と山葵で味付けをして食べてみた。

ところで肉を食べる時はいつも思うのだが、素材と調味料・香辛料が上手い具合に引き立て合う味覚と出会うのは難しいと思うのは私だけだろうか?
これは意識の差なのか、微妙なタイミングや舌の味覚感知の位置のズレによるものなのか。同じものを食べていても違う発見や感動があるというのが、食事の面白さの一つと思っている。

その後、茶碗蒸しや刺身をいただきながら、博多百年蔵の日本酒を少々飲んだ。
翌日の博多散策の終わり頃、私はその酒蔵を見学し、再び日本酒を購入したのだが、その話はまた別の記事で話すことにしよう。

食事を楽しんだ後は、20km程の散策の果てに歩き疲れた身体を休める為に、再びポルトに戻った。
一日が終わることを感じながら、昨日の船上の一夜と異なる、地上で休むいつもの夜の眠りに落ちた。

日本語
ENGLISH
日本語
ENGLISH

【悠々〇〇おすすめ記事】