午前中は美術館や山形県庁の展示を楽しみつつ、いよいよ祭りの始まりが近付いていた。人混みに追従しながら祭りのスタート地点へと向かい、祭りの始まりを高揚の中で迎えた。
夕暮れに映える華やかな着物と花笠に身を包んだ女達の美しさに視線を奪われながら、熟練した男達の動きにも注目していた。
踊りは団体毎にやはり少しずつ違っていて、去年の盛岡のさんさ踊りも然りで、お気に入りの団体を見つけるのも楽しみ方の一つだろう。
私は、女踊りは緩やかな流れの中で次の所作に移るものが、男踊りは大きく動きながら止めやメリハリがはっきりしている踊りが好みの様だ。
祭の動きを見ながら少しずつ最終地点へと向かっていくと、放送席が設けられており、また花笠まつりの歌を唄う歌い手がいた。踊りと囃子、そこに唄が合わされば祭りの雰囲気は素晴らしいものになる。テーマに合わせて作られた音楽というものはその世界観を力強く支えるもので、アニメにおけるアニメソングも同じ様なものだろう。唄・踊り・囃子が三位一体となって祭りの完成だ。
1時間半程祭りを楽しんで、一旦夕食を摂ることにした私は、通りかかった七日町 しば田にて、冷やし蕎麦を山形の地酒の上喜元と共にいただいた。そこで後から入ってきたグループと話が盛り上がり、一緒に花笠まつりを観ることになった。そのグループの中の一人は花笠で踊ったことがあるとのことで、彼女の母校のメンバーも踊っていた。ちなみにこの女性、山形弁がよく似合う中々の美女で、祭り以外にも旅の良い思い出ができた。