私がかつて大阪に住んでいた頃、昼の神戸牛ランチと夜の南京町中華街を目指して、友人と兵庫県神戸市の中心部の三ノ宮駅で降りた。
南下すればポートアイランドとその先に神戸空港があり、少し西に歩けば旧外国人居留地や南京町中華街もある。異国情緒も漂う人気観光地だ。
この阪急三宮駅を降りた、三宮駅北交差点にさんきたアモーレ広場という広場があるのだが、ここに珍妙なオブジェを見つけた。
それは新谷琇紀という芸術家が製作した「AMORE」というオブジェで、女体が上下に交互に結合された様なものだ。
高さも約3mあり、その異様な姿が否応なく人目を引く。実際目立つので、その周りに待ち合わせと思しき人が多数いた。
元町の南、メリケンパークのBE KOBEのオブジェは三ノ宮に来たという良い感じのインスタ映えがするが、これは中々上級者向けに思える。
これを見て、私は未だ観たことはないが、「ムカデ人間」という映画のキャッチコピーを思い出した。
作者はもう15年も前に亡くなっている為、その考えを聞く術は最早ないところを勝手に想像して申し訳ないと思いつつ、取り敢えず繋げてみたかったのかなと思ってしまった。
時期的にムカデ人間より数年先に作成されたので、実はこの作品がムカデ人間に影響を与えたのかも知れない。
彼は神戸生まれでイタリアに留学していて、イタリア人のモナイ・パトリツィアという人を妻にしていた。
彼の女性彫刻はその妻をモデルにしていたというので、彼の作品はモナイさんの公開ヌードに近いという見方をするのは私だけではないはず。
私自身は芸術作品を見て興奮することはないものの、彼の作品は人知れず誰かを興奮させているのかも知れない。