073 マイバイク TCR ADVANCED PRO 1 DISC(2022年モデル)

日本語
ENGLISH

12月25日の夜、私は自分へのクリスマスプレゼントとして題記のバイクを購入した。
前回のマイバイクの記事にも書いた通り、イタリア旅の帰りの飛行機輪行で壊れたフレームに対して、ジャイアントのカーボンリプレイスメントプログラムを使用して購入したのだ。

このカーボンリプレイスメントプログラムだが、購入後3年間以内の申請により、破損したフレームをジャイアントに引き渡すことで、同等モデルを3割引の価格で購入出来るというプログラムだ。
ジャイアントのみならず、トレックやキャニオン他メーカーも似た様なプログラムを用意している場合があるので、確認してみることを推奨する。

私の様に、航空会社の免責の為に請求が出来ない場合は兎も角、自動車との衝突などで相手方に責任が重く、保険金が支払われる場合などは、このプログラムによって金銭的には寧ろプラスに働くだろう。

先代TCRと本機を比較すると、幾つかのマイナーチェンジを除けば、ジャイアント製のパワーメーターを本機は標準装備している点が異なっている。
そしてその定価の差は、約12万円だ。3割引の結果、当時の新車購入と大差ない金額になっている。

しかしこのパワーメーターが標準装備されているということこそが大きなポイントでもある。
パワーメーターを使用することで、自分の出している出力をリアルタイムで確認することが可能で、トレーニングにおいて非常に重要な指標となる。
ディスプレイは別途必要だが、私は以前から所有していたGARMIN Edge 830を引き続き使用することで、以前のSCULTURAで使用していた時との比較も可能となった。

そこで、私は普段の練習コースにしている、家から程近く、短くもそれなりの斜度がある坂を登り、性能を確かめてみた。
前半に急勾配・急カーブがある中でも、最後までFTP+40%程の出力をキープして登ることが出来た。登坂が苦手な自分にとって、これは今まででは考えられなかったことだ。

感覚の面で言うと、乗り心地の軽快さにおいて、SCULTURAを超えるものには思えなかったが、時間と出力という数値面においては明らかなアドバンテージを示していた。

これが3年間の技術進歩か、と驚きを禁じ得ない。しかしフレーム以上に、ホイールの進化が大きい様に感じたのは、おそらく間違いではないだろう。
そのホイールの点においても、ジャイアントは着実に進化させてきている。フックレス形状の導入によってタイヤの選択肢が狭まっているものの、現状ではコンチネンタルやマヴィックの様なメジャーどころがそれなりに対応製品を出しているので問題はそれ程ないと思われる。
多くを占めるとは言えども、乗り心地の全てがホイールやタイヤのみに左右されるものではないので、これからじっくり慣れ親しんでいこうと思う。

フィッティングシステムの普及によって、バイクのジオメトリーを人に合わせていくことの重要性が注目される中でも、私は人からバイクへ寄せていくことの大切さも忘れてはいけないと感じている。
ロードバイクに限らず、道具を使うあらゆる活動において道具を知るということは、人との付き合い方にも通ずるところがあるのではなかろうか。こちらから相手に歩み寄らず、相手を自分に合わせるばかりでは、歪んだ関係になるのは間違いない。

そして、人が道具に合わせるのも、道具を人に合わせるのも、どちらも時間が必要なものだ。
サンタクロースも、きっとトナカイとの関係は笑いあり涙ありの付き合いの中で作り上げていくのだろう。

日本語
ENGLISH
日本語
ENGLISH

【悠々〇〇おすすめ記事】