東北秋祭り2023 弘前城 菊と紅葉まつり②夕刻編

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昼の菊と紅葉まつりを楽しんだ後、弘前城付近にあるお土産屋や市場を見回り、ねぷた館での津軽三味線パフォーマンス等を楽しんでいる内に夕方になっていた。11月の弘前は17時を少し過ぎた頃にはそこそこ薄暗かった。

前泊地のすぐ近くにある豚カツ屋のかつ亭にて友人と食事を楽しみ、その後は一時的に友人とは別れて彼には先に宿へと向かってもらった。そして私は一人で夜の菊と紅葉まつりを周ることにしたのだが、その宿は送迎があり、それが19時までであることと、私は自転車だったからだ。

夜のまつりを一人で周った私は、昼とは違った美しさと趣を見つけた。夜闇の中でライトアップされた菊と紅葉は陰影が際立っていて、浮かび上がっている様だった。鮮やかな暖色の赤と黄色は、寒色の黒との対比でより色濃く見えるものなのだろう。

また、昼間にはゲストがトークショーや音楽で盛り上がっていたステージの側には、鳳凰と龍の作り物が置いてあったが、夜になるとこれらにプロジェクションマッピングで映像が投影されていた。鳳凰と龍が動いている様に見えるというもので、鮮やかな色合いで夜を翔ける姿が映し出されていた。

2020年の2月に訪れた弘前城の雪燈籠まつりでも、プロジェクションマッピングが行われていた。プロジェクションマッピングは弘前の得意技の様だが、雪燈籠まつりの時のことを思い返してみると、やはり映像だけでなく投写対象になる像の完成度も重要だと感じた。
F1レベルのスポーツカーが超高性能であるのは勿論として、それがトップレベルの競技の走りをするには卓越した技能を持つドライバーがいて初めて成立するのと似ているのではないかと思った。

こうしてしっかりと夜の祭りの美しさを楽しみつつも、そろそろ友人の待つ宿に向かおうと公園を出ようと出口を目指した時、道の脇に燈籠が道案内をする様に並んでいた。これを見て再び雪燈籠まつりを思い出した。燈籠の色合いは違っていたし、落葉の赤や黄色への対比か、雪の白に対しての対比かでも印象は違ったが、どちらも美しく私の印象に残った。

都会のイルミネーションやライトアップとはまた違った、きらびやかさよりも温かさの様なものを感じたのだが、それは厳しい冬を知る青森の人だからこそ成せる業だろうか?光や灯の有難みを知る人達なのだろうと感じたのだ。
青森でライトアップやイルミネーションをしっかり見る機会はこれまでなかっただけに、見てみたくなった。

夜の祭りの美しさと気付きを胸に、私は友人の待つ宿へと向かい、写真や感想を彼や宿主と共有した。
今回が初青森の彼だったが、今回の件で弘前の良さを強く感じてくれたらしく、翌年4月の桜まつりも共に行く約束をした。
私にとっては秋の青森は初とはいえ、何度も訪れているはずの青森にまた何度でも足を運びたくさせてくれる、そんな旅だった。

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